セルフライゲーションブラケット

先日、患者さんから、「細い紐みたいな針金で留めるのって、珍しいですよね?」という疑問(?)を投げかけられました。

ブラケットに治療用ワイヤーを通して留める際に、
リガチャーワイヤー(=細い紐みたいな針金)を用いる従来型のブラケット
従来型の矯正用ブラケット
と、
(分かりやすく言えば)蓋を閉めて押さえるセルフライゲーション型ブラケット
セルフライゲーションブラケット
の二通りがあります。

当クリニックでは、セルフライゲーションブラケットのコンセプトを活かしたブラケット
セルフライゲーションのコンセプトを活かしたブラケット
を用いていますので、一見すると従来型のモノに近いです。

どちらを用いても、歯はしっかり動き、歯並びは治ります。
過去において、セルフライゲーションブラケットの方が1回の治療タイムが短く、矯正に要する治療期間も短くなる・・・ともてはやされた時期もありました。 しかし、検証が進み、現在では1回の治療タイムが短いこと以外は他のブラケットと比べてもあまり変わらない、とされています。

それでもセルフライゲーションタイプのブラケットを用いているのは、
「普通に使用しても、より摩擦が少なく、より弱い矯正力で歯を動かしやすい」
(テクニカルエラーが生じ難い)と考えているからです。
従来型でも結紮を工夫すれば似たような効果を得られますが、とても微妙で面倒なんです。

ただ、「じゃあ、何で普通のセルフライゲーションブラケットを使わないの?」と尋ねられると、
1.普通のセルフライゲーションブラケットはデカい!(大きいではなく、デカい)
2.蓋に相当する部分が白くない
というのがその答えです。

下の写真は、両者の比較です。
矯正用ブラケットの比較
右側の普通のセルフライゲーションブラケットは、左側(当院使用)と比べて、明らかにデカい!ことが分かります。
そして、黄色い丸い枠で囲んだ部分が蓋に相当する部分ですが、白くないのです・・・

一応、ロジウムコーティングという白く見せる特殊塗装がされているのですが、やっぱり白くなく、「メタル」なので、見た目に違和感を感じてしまうのです。

また、当クリニックで用いているブラケットを従来型と比較すると、一見するとソックリですが、黄色い枠で囲んだ部分を見てください。
ブラケットの比較
右の従来型と比べて、左の当クリニック使用のモノには「ショルダー」と称される部分があり、結紮に際してセルフライゲーションブラケットと同じ効果を発揮してくれるのです。