八重歯を治して、奥歯の開口を治したい!
患者さんは、10代の女性(学生)です。
「上下の前歯の八重歯をきれいにして、奥歯が噛めていない開口を治して、
口を閉じたときのシワを無くしたい!」
という(欲ばった?)希望でした。
【Before】







レントゲン写真で確認すると、


この患者さんの場合、
【診断】
#1.「弄舌癖による奥歯の位置異常に伴う開口」
#2.「歯と顎の不調和による上下の叢生」
と診断しました。
【治療方針】
1.上下の左右の奥歯を抜歯をしてスペースを作り全体に歯並びを整える
2.次いで、上の前歯を最大限に後方へ移動
3. 下の奥歯を可及的に前方へ移動
4.並行して、左右の奥歯の噛み合わせの緊密化を図る
という治療計画にて、矯正を進めることにしました。
【抜歯】
上下左右の奥歯を各々1本ずつ、計4本を抜歯
(通常通り4番目の奥歯を抜歯しました。)
【治療装置】
マルチブラケットシステム(ストレートワイヤー:スタンダードtype)で矯正を開始。


【途中経過】
前歯のガタつき(八重歯を含む叢生)は比較的早くきれいに並んで、改善することが出来ました。しかし、(残念ながら)奥歯の開口は改善されませんでした。
【顎間ゴムの使用】
現状、歯並びはキレイに揃っていますが、
・奥歯の開口状態が残る
・上下とも歯列内に抜歯によるスペースが余る
・奥歯が上顎前突(出っ歯)の噛み合わせである
という状況でした。
これ等をまとめて改善するために、顎間ゴムを約1年半に渡り使用してもらいました。 歯の動きを見ながら、必要に応じてゴムをかける方向を変えたりしました。
【After】

「もう十分です!」という患者さんの声に助けられました






スッキリした口元だと思います
矯正後の状態をレントゲン写真で確認すると、

【保定】 上下ともフィックスタイプ&クリアリテーナー
【治療期間】 2年4か月間
【治療費用】 74万6千円 【使用装置】 スタンダードtypeのマルチブラケットシステム
歯並びも噛み合わせもキレイになったことはもちろん、奥歯もしっかりと噛めるようになりました。 もちろん、お口を閉じた時のオトガイ部の緊張も無くなり、楽にお口を閉じれるようになりました。
参考までに矯正治療前後の歯並びを比較してみましょう。

次に、矯正治療前後のレントゲン写真を比較してみましょう。

そして、矯正治療前後の顔写真を比較してみましょう。

矯正後は、しっかりとEラインに収まっています

治療の前後で、オトガイ部の緊張に伴う「しわ」の有無が見て取れます
今回の反省ですが、智歯(親知らず)特に上の埋伏している智歯を抜歯しておけば、もう少し早く治療を終えることが出来たかな!?と思います。 近医にて抜歯してくれたものと思い込んで治療を進めて、最後の段階で抜歯していないことが判明したものです。。。抜歯しろ!抜歯しろ!とあまり言いたくないので、コチラとしても様子を見ていたら、こんなことになりました。