口元を引っ込めたい

2025年8月7日

ここでは、この方の治療の詳細について記していきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

患者さんは、１０代の男性（学生）です。
「口元の突出感をなくしたい！」

【Before】

この患者さんの場合、
【診断】
＃１．上下顎前突（歯槽性）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
と診断しました。

【治療方針】
１．上下左右の奥歯を１本ずつ抜歯してスペースを作り、前歯の乱れを改善
２．残りのスペース分を使い、上下前歯を最大限に後方へ移動
　（そのために上顎ではアンカースクリューを併用する）
という治療計画にて、矯正を進めることにしました。

【抜歯】
上下の左右の奥歯を1本ずつ計４本抜歯（すべて前から４番目の第一小臼歯を抜きました）
上顎の埋っている智歯は早い段階で抜歯をする予定です

【治療装置】
マルチブラケットシステム（スタンダードtype）で矯正を開始。
アンカースクリューを２本使用

順当にステップが進んで、前歯を奥へ引っ込めるためのアンカースクリューを上の奥歯の部分に植立します。

上下とも前歯を奥へ出来るだけたくさん引っ込めるよう治療を進めます。

【途中】
ここで想定外の事態が起きてしまいます。
下の歯列において奥歯と前歯の引っ張り合いをする中で、奥歯が大きく負けてしまい、奥歯が前にズレる形で抜歯スペースを閉じてしまい、下の前歯を引っ込めることが出来なくなってしまいました。

そこで、下顎の埋っている智歯を抜歯してアンカースクリューを植立して、下の歯列全体を後方（奥）へ動かすことでリカバリーしようという風に治療計画を修正しました。

上顎では引き続き、前歯を奥へ引っ込めて行きます。
下顎では、アンカースクリューから「力」を加えることで歯列全体を後方への移動を図りました。

その後、更なる点数アップを目指して仕上げの微調整を続けました。

【After】

【保定】 上下ともフィックスタイプ＆クリアリテーナー
【治療期間】　約３年間
【治療費用】　８２万８千円
　　　　　　　　スタンダードtypeのマルチブラケットシステム
　　　　　　　　アンカースクリューを４本

矯正治療の結果、口元の出具合はギリギリEラインに収まりました。
口元の口唇部を中心とした突出感（口ごぼ）は無くなり、狙い通りに口元をスッキリさせることが出来たように思います。　合わせて、顎もしっかりできて、横顔も締まった良い感じに収まったように思えます。

参考までに、矯正治療の前後を比較してみましょう。

まずは、横顔と口元の比較です。

レントゲン写真でも比較してみましょう

ついでに、歯並びの比較です