E-line(エステティックライン)
矯正における口元の美の基準としてよく知られるものに、エステティックライン(通称E‐line)があります。
下顎の先と鼻の頭のてっぺんを結んでできる線のことです。
上の写真のように日本人の場合、このE-lineに対して、
「下唇はぎりぎり接するぐらい、上唇は接することなく余裕があるぐらい」
がベストであろうとされています。
当クリニックでは、「モコっと出ている口元を引っ込めたい!」という希望をお話しされる方がとても多いのですが、歯並びに問題がある場合、多くのケースで抜歯を伴います。
そして、抜歯をして矯正をすると、大なり小なり前歯が引っ込んで、口元もそれなりに引っ込みます。
そこで、歯並びを治すついでに、口元も良い方向へ変化させるよう治療計画を立てます。
よくあるパターンは・・・
この方も、前歯の乱れを正した後は、残る隙間を出来るだけ前歯を奥へ引っ込めて無くすよう治しました。
抜歯しての矯正後はとても引き締まった口元になり、喜んでいただけました。
ただ、前歯を引っ込めて口元を引っこめればそれで良いのか!?と問われると、そうではありません。
その人の骨格や顔貌のバランスの評価が大事になります。
例えば、
このようにオトガイ部(下顎の先あたり)がしっかりある方の場合、抜歯をしてスキ間があるからと言って前歯を引っこめてしまうと、「しゃくれた感じ!」になってしまいます。
(日本人的には、「しゃくれた感じ!」は受けが悪いですから・・・)
ですから、抜歯をして治すにしても、出来るだけ前歯の位置が大きく変化しないような治療計画を立てます。 状況によっては非抜歯で矯正して治すプランを考えることもあります。