矯正を考えている皆様へ

こんにちは、さあデンタルクリニックの院長 佐々木です。

日常、矯正治療にたずさわる中で思う、『治療後の満足度を上げる』ために、相談の時に考えておいて欲しいことを、お話ししたいと思います。

あなたは、何故、矯正をしたい!と思われたのですか?
歯並びが悪いから!?ですか?

矯正治療ですから、あなたの歯並びをもっときれいにしていくことは当たり前です。

でも、それだけで良いですか?
もっと他にも、治したい、変わってくれたら嬉しいことはないですか?
希望するならば、口元のアレコレだって、矯正で変えることが出来るのです。

もしもゴールが違えば治し方だって違ってきます。

あなたが矯正をしたいのは、どこがどう変わって欲しいからですか?

ちょっと抽象的になるので、出っ歯と八重歯の方を例にして、分かりやすく説明したいと思います。

【目次】
1.矯正を始める前にまず考えて欲しいこと
   概論
2,矯正して本当に治したい(変えたい)ことはナニ?

3.矯正相談と治療例
   出っ歯の場合
     case1.出っ歯が治り歯並びがキレイになれば、それで十分!という症例
     case2.出っ歯が治り、口ゴボも治って欲しい!という症例
   八重歯の場合
     case3.八重歯が治り歯並びがキレイになれば、それで十分!という症例
     case4.八重歯が治り、ガミースマイルも治って欲しい!という症例

矯正を始める前にまず考えて欲しいこと

一番大事なことは、「どこがどうなっていることが気になっていて、矯正後にどのように変化して欲しいのか!」です。 正直、これ以上に大事なことはない!とさえ思っています。
目指すゴールが違えば、治し方も異なります。
今の時代、歯並びだけでなく、口元のアレコレも治す(変える)ことが出来るようになっています。

もちろん歯並びがキレイになれば十分という方も多いと思いますし、矯正にたずさわる身としてそれは言われなくても目指す部分でもあります。
でも、ココもこんな風に変わると嬉しいなと思う部分があれば、教えて欲しいのです。 例えば、ガミースマイルや口ゴボだって相当程度に改善することが出来るのです。

あらかじめ、ココがこんな風に変化して欲しいと分かっていたら、こういう治し方を併用しましょう、などと提案することも出来ます。
治療が終わった後で、やっぱりココは変わらないですね・・・と言われても困ります。 初めに言ってくれたら、治せたのに・・・とお互いに後悔が残ります。

矯正治療が終わった後、あなたに目一杯笑ってもらうためにも、気になっていることは全て教えていただきたいのです。

矯正して本当に治したい(変えたい)ことはナニ?


歯並びがキレイになればそれで十分なのか!?
合わせて口元のアレコレも変化して欲しいのか!?

よくあるのは、「上の前歯が出ているので、引っ込めたいんです!」という言葉です。

この言葉に偽りはないと思います。
問題は、「前歯を引っ込めたい!」という表現の裏(?)にあるあなたの本音(?)、何処をどう変えたいから矯正をしたいのですか?? が、大事になるのです。
すなわち、

👍 いわゆる出っ歯の歯並びが治れば十分なのか!?

👍 出っ歯が治ることで口ゴボが治って欲しいのか!?

👍 前歯を引っ込めてガミースマイルも治って欲しいのか!?

👍 前歯を引っ込めてガミースマイル&口ゴボを治したいのか!?

ということなんです。

どうぞ、我が儘に自分の希望を私に教えてください。
単純に出っ歯を治しただけでは、歯並びはきれいになっても、あなたが『変わって欲しい、治って欲しい』と思っていた部分は何も変わらない恐れがあるのです
その目指すゴールにより、治療法は異なってきます。 
あらかじめ教えてもらっていれば、アレもコレも治して、より満足のいく結果を得ることが出来ると思います。

矯正の王道としては、いわゆるきれいな歯並びで良い噛み合わせを獲得することが、当然の目標になります。
そのことだけで良いのであれば、それこそ、検査して型を採り、レントゲンを撮り、角度などを分析して、「あなたの場合は計4本抜歯して、治療しましょう」「あなたの場合は、上の歯だけ計2本抜歯して、治療しましょう」と、こちらで勝手にあなたのゴールを決めてしまうことも可能です。

でも、あなたの百点は、それで良いのですか?
皆さん、「きれいになりたい!」とおっしゃいます。 でも、その『きれい』にも人により様々な『きれい』があるのです。

もう一度言いましょう。

今の時代、歯並びだけでなく、口元のアレコレも治す(変える)ことが出来ます。
目指すゴールが違えば、治し方も異なります。


どこがどう変わって欲しくて矯正をしたいのですか?

それを私に教えて欲しいのです。

矯正相談と治療例

ちょっと抽象的な話にもなりましたので、具体的な例をお見せしながら、詳しく説明しましょう。

出っ歯の場合

例えば、「出っ歯が気になる!」と悩む方がおられます。
下記に示すAさんとBさん、お二人とも、似たような歯並びと口元をされています。

しかし、二人が目指すゴールは違います。
Aさんは、『出っ歯が治り歯並びがキレイになれば、それで十分!』
Bさんは、『出っ歯が治り、口ゴボも治って欲しい!』
というものです。

では、一人目のAさんの矯正治療前の状況です。

典型的な出っ歯の矯正前の歯並び
典型的な出っ歯の矯正前の横顔と口元

もう一人のBさんの矯正治療前の状況です。

ごぼ口を矯正する前の歯並び
ごぼ口を矯正する前の横顔と口元

この二人、目指すゴールが異なる以上、治療法も異なります。

Aさん(出っ歯が治れば十分)の場合、
①上だけ抜歯して矯正装置を付け(下は非抜歯) →②前歯の歯並びをきれいにして →③下の前歯のところまで上の前歯を引っ込めるという、上の前歯だけ引っ込めるステップで矯正治療を終了しました。

一方、Bさん(出っ歯と口ゴボを治したい)の場合、
①上下の4本を抜歯して矯正装置を付け →②前歯の歯並びをきれいにして →③上顎においてはアンカースクリューを併用して最大限に、下顎においては普通に、上下とも残る隙間分の前歯を引っ込める
という、上下の前歯を引っ込めるステップで矯正治療を終了しました。

その結果として、二人の治療後は、このようになりました。

Aさんの矯正治療後です。

典型的な出っ歯の矯正後の歯並び
典型的な出っ歯の矯正後の横顔と口元

→ 『出っ歯が治り歯並びがキレイになれば、それで十分!』という治療の詳細はコチラを参照。

Bさんの矯正治療後です。

口ごぼを矯正した後の歯並び
口ごぼを矯正した後の横顔と口元

→ 『出っ歯が治り、口ゴボも治って欲しい!』という治療の詳細はコチラを参照。

元々が似たような歯並びと口元ですが、目指すゴールが違ったので、歯並びは同じ感じですが、口元(横顔)の見た目は大きく変わりました。

八重歯の場合

例えば、「八重歯が気になる!」と悩む方がおられます。
下記に示すCさんとDさん、お二人とも、似たような歯並びと口元をされています。

しかし、二人が目指すゴールは違います。
Cさんは、『八重歯が治り歯並びがキレイになれば、それで十分!』
Dさんは、『八重歯が治り、ガミースマイルも治って欲しい!』
というものです。

まず、一人目のCさんの矯正治療前の状況です。

八重歯(叢生)の歯並び
八重歯(叢生)の歯並びの人の口元

もう一人のDさんの矯正治療前の状況です。

ガタガタのある出っ歯の歯並びの矯正前
ガタガタのある出っ歯の歯並びの矯正前の口元
ガタガタのある出っ歯の歯並びの矯正前の口元で、笑うとガミースマイルもあります

この二人、目指すゴールが異なる以上、治療法も異なります。

Cさん(八重歯が治れば十分)の場合、
①通法通り抜歯して矯正装置を付け →②前歯の歯並びをきれいにして →③残る隙間分、前歯を引っ込める
という3ステップで矯正治療を終了しました。

一方、Dさん(八重歯とガミースマイルを治したい)の場合、
①通法通り抜歯して矯正装置を付け →②前歯の歯並びをきれいにして →③ガミースマイルの改善 →④残る隙間分、前歯を引っ込める →⑤上の歯列全体を更に後方へ引っ込める
という5ステップで矯正治療を終了しました。

その結果として、二人の治療後は、このようになりました。

Cさんの矯正治療後です。

八重歯(叢生)の歯並びを矯正した後
八重歯(叢生)の歯並びを矯正した後の口元

→ 『八重歯が治り歯並びがキレイになれば、それで十分!』という治療の詳細はコチラを参照。

Dさんの矯正治療後です。

ガタガタのある出っ歯の歯並びの矯正後
ガタガタのある出っ歯の矯正後の口元
ガタガタのある出っ歯の矯正後の口元で、笑っても歯茎の見えなくなった笑顔

→ 『八重歯が治り、ガミースマイルも治って欲しい!』という治療の詳細はコチラを参照。

元々が似たような歯並びと口元ですから、治療後の見た目も当然似通っています。
しかし、Dさんにおかれては、最初に「ガミースマイルも治したい!」との要望をいただいていたので、ガミースマイルも治しています。 (同じ状況でも、ガミースマイルは気にしないという方も、当然おられると思います。)

大事なことは、矯正治療をするにあたり、治したい!変えたい!ところがあるなら、最初に教えて欲しい!ということなのです。
今の時代、歯並びだけでなく、口元のアレコレも治す(変える)ことが出来るのです。