ホワイトングの限界
ホワイトングの限界
白い歯もいろいろ
どんな歯でも真っ白になるわけではありません!
ホワイトニング とは、元の歯の色が明るくなる変化です。(実は、日本語からイメージする”白くなる”という変化ではありません。)
ホワイトニングをすると、ある色相の系統の暗い色から明るい色へ変化するのです。
すなわち、ブリーチング(漂白)なのです。ですから元の色相を超えた変化はありません。
その変化を分かりやすく例えてみれば、紺色のジーンズをホワイトニングしたら水色のジーンズにはなりますが、ホワイトジーンズになることはない、ということです。
ホワイトニングによる色の変化の差
経験的には、元の歯の色相によりホワイトニングの効果に差が見られることが知られています。
多くの方がイメージするこれぞホワイトニングという分かりやすい変化をすることが多いのが、A系統とB系統です。
逆にホワイトニングをしたことが分かり難い、すなわち、歯があまり白くなってない・・・という変化になりやすいのは、C系統とD系統です。
変色歯のホワイトニングによる変化
小さい時の服薬の影響などで、VITA shade guide の色見本には収まりきれない色合いを示す歯もあります。 (代表的なものはテトラサイクリンによる変色)これらを変色歯といいます。
変色歯はFeinman の分類が有名で、その程度により4段階に分類しています
。
変色の程度がひどくなるにつれて、一般に縞模様もひどく目立つことが多いようです。
Finmanの分類
変色歯のホワイトニングの例
一般的に、変色歯はホワイトニングの対象には適していません。
多くの人が思い描くような白い歯にはならないことが多いからです。
典型的な変色歯のホワイトニングの症例をお見せしましょう。
まずは、Feinman の分類でF1 に相当する軽度の変色歯の方です。
いわゆるA系統、B系統といった普通の歯の色ではありません。
通常のホワイトニングを1クール終了しています。
本人的には、今一つ・・・の想いだったのですが、周りの方からは好反応!
勢いに乗って、毎年の定期検診のたびに
ホームホワイトニングを繰り返した結果、ココまで白くなりました。
さらに繰り返した結果、ビックリするぐらいに白い歯に!
次は、Feinman の分類で、F2~F3 に相当する重度の変色歯の方です。
上の前歯の部分は
審美歯科の治療のために、前歯の一部を仮歯に換えています。
全体に歯の色が白っぽくなってきたことが 、分かります。
仮歯の色は変わりませんので、その部分との色の対比でも、色の変化がハッキリ分かります。
さらに歯の色が白っぽく明るくなって行ったことが分かります。
ただし、根元の変色している部分はあまり変化していません。
上記のようなFeinman の分類で3度、4度以上の重症になると、ホワイトニングの効果はかなり限られます。
原則としてホワイトニングの適応症からは除外されます。
以前に、このような変色歯の場合は6ヶ月間のホームホワイトニングをすると良い!とアメリカで言われていた話を耳にして、別の患者さんの協力を得てしたことがあります。
もう一声だけ全体に白っぽくなりましたが、根元の変色はやはり白くなることはありませんでした。
この辺りが、ホワイトニングの限界であると考えられます。
変色歯のホワイトニングでは、このようなチョーク状の白さになることが多いです。
一般的に決して明るい白い歯とは言えません。
しかし、最初の暗い歯の色よりもずっと明るくなるので、患者さんによっては十分な満足を得ることもあります。
また、毎年のタッチアップを繰り返すと、上手く行けば、かなり白い歯になることも可能のようです。
また、縞模様が強い場合、歯が明るくなることでその縞模様が強調されたようにハッキリと明確になってくることがあります。