ガミースマイルと口ごぼを治したい
患者さんは、30代の女性（OL）です。
「笑うと見える歯茎のガミースマイルを治して、出ている口元を引っ込めたい！」
笑うと歯茎（歯肉）が大きく見えて悪目立ちするのが嫌だし、口元が出ていることも気になるので引っ込めてスッキリさせたい、という希望でした。
【Before】
レントゲン写真で確認すると、
この患者さんの場合、
【診断】
「上顎歯列咬合平面の傾斜が急すぎることによるガミースマイル」
「歯列の前方位による上下顎前突」
と診断しました。
【治療方針】
１．アンカースクリュー２本を使用して上顎の前歯を上方へ圧下
２．次いで、奥歯を抜歯をして、上下の前歯を最大限に後方へ移動 （この際も上顎の奥歯にはアンカースクリュー２本を補強として併用）
という治療計画にて、矯正を進めることにしました。
【抜歯】
上下の左右の奥歯を1本ずつ計4本抜歯 （智歯の抜歯はなし）
【治療装置】
上顎にアンカースクリューを計４本（前歯に２本、奥歯に２本）を使用。
マルチブラケットシステム（ハーフホワイトtype）で矯正を開始。
＊ハーフホワイトtype：上下とも歯の表側に白いブラケットを付けて、上は白いワイヤーで、下は銀色のワイヤーを用いたストレートワイヤーによる歯列矯正
＊
【経過】 先ずは上の前歯あたりにアンカースクリューを植立して前歯を圧下しました。 ほぼ半年が経過して、ガミースマイルの改善は十分に行われました。（最初にブラケットを付けて治療を始めてからは約１年が過ぎました） その後、あらためて上下の前歯を奥へ引っ込めるステップに入りました。 上の奥歯にはアンカースクリューを追加で植立して補強として併用しました。
【経過】 あとは前歯を引っ込めるだけ！ のはずだったのですが・・・なかなか思うように動いてくれず手間取ってしまいました。（基本的に圧下をしている状態というのは、歯を安定させて動きづらくするという側面もあります。 そんなことも影響したのかどうか。。。）
【After】
矯正後の状態をレントゲン写真で確認すると、
【保定】 上下ともフィックスタイプ＆クリアリテーナー
【治療期間】 ３年６ヵ月間
【治療費用】 ８３万６千円
（ハーフホワイトtypeのマルチブラケットシステム、アンカースクリューを計４本、を使用。）
今回、ガミースマイルを治すところまでは順調だったのですが、そこから前歯を引っ込めるステップでわたくしの力不足でかなり余計に時間を食ってしまいました。患者さんには本当に申し訳なく思う次第です。 それでも、笑った時の口元の雰囲気はガラリと変わり、歯の存在感が小さくなり満足してもらえたようで何よりでした。
参考までに矯正治療前後の「レントゲン写真」と「口元の写真」を比較してみましょう。 見て一目瞭然に違いが分かると思います。
