インプラント矯正
矯正インプラント、別名をアンカースクリューとも言います。
この矯正インプラントを用いた治療は、多くの治療目的を効率的に叶えてくれます。
以前は不可能であったり、するとしたら「顎間ゴム」、「ヘッドギア」、「J‐フック」、などという患者さんに多大な協力を強いる手段しかありませんでした。
おまけに、「ヘッドギア」や「J‐フック」というものは結構大掛かりで、見た目にも大変でした。
(『ロッキーマウンテンモリタ総合カタログ』より抜粋)
でも、成長期の子供の治療にはとても有効で、よく使われています。
しかし、大人の治療では、学会誌などの治療報告に”上手く併用して”と、その名を見ることはありました。 では、自分が実際に大人の患者さんに使えるか?と尋ねられたら、「無理!」と即答するようなものです。
ほんと、便利になったものです。
この矯正インプラント、元々30年近く前に、いわゆるインプラント(人工歯根)が動かないことに着目して、矯正の治療に利用できないか!?と東北大学の矯正学教室で研究が始まったと聞いたことがあります。
それ以後、骨折の治療に用いるチタンプレートを流用した報告もあったようです。
そんな経過をたどり、今の”ネジ”のようなシンプルな形に落ち着きました。
ただ、登場してしばらくは、『有効で実際的な使い方』がハッキリ分からず、使ってはみたものの予定と違う風に動いたり、予期せぬ歯の動きが生じたりなど、一部に混乱がありました。
その後、力学的な解析も進み、正しい(!?)使い方も確立して、今に至ります。
≪前歯の圧下≫
≪前歯全体を奥へ移動≫
≪上の歯全体を奥へ移動≫
≪前歯全体を奥へ移動/舌側矯正の場合≫
おかげで、患者さんの協力が不必要で、かつ、より効率的に歯を動かす矯正力を効かすことができるようになりました。